コンテナ式BSL-3対応可能実験室

コンテナラボ

ISO規格海上コンテナを使用した
モバイル式実験室
  • 適切なバイオセーフティマネージメントのもとで各国が定めるリスクグループ3の病原体を扱うことが可能な封じ込め施設
  • ISO規格海上コンテナを使用し、内外装および設備を完備
  • 大がかりな建設工事を行なうことなく、リスクグループ3の高危険度病原体による感染症の検査・研究が可能
  • 高品質・低価格な「コンテナラボ」を設置・運営までサポート
  • 日本においては、ペスト、SARS、炭疽、狂犬病など

「コンテナラボ」4つの特長

  • 1モバイル
    筐体はISO規格海上コンテナのため搬送が容易
    状況の変化に応じて移設も可能
  • 2低価格
    建屋の建造が不要かつ現地工事費を削減することで低価格を実現
  • 3短工期
    プレハブ工法採用により現地工事の工期を短縮
    • 基礎、給排水電気接続のみ
  • 4高品質
    海上コンテナの使用と先進国での工場製作による品質を確保
コンテナ式結核実験室の外観

「コンテナラボ」設置までの作業工程

  1. 1.工場製作工程
    4ヶ月
  2. 2.再分割搬出
    2.5ヶ月
  3. 3.現地工事
    1.5ヶ月
  4. 4.完成
  • 工期については標準の工期です。条件により工期は変動するおそれがあります。
    詳細はお問い合わせください。

1.  工場製作工程

コンテナの仮組と内装工事

架台設置後コンテナの組立
コンテナの仮組完了
2階機械室工事
空調換気設備機器
1階実験室工事
バイオセーフティー機材

2.  再分割搬出

試運転確認後、仮組したコンテナを解体し輸送

3.  現地工事

基礎工事
コンテナラボの基礎工事
搬入工事
工場制作したラボの搬入
据付工事
クレーンを使いコンテナを組立
再組立
外部から電気、給水を接続、
放流先へ排水を接続

BSL-3実験室の概要

リスクグループ3の病原体を扱える施設と設備がBSL-3実験室です。

実験室概念図

1次封じ込め

BSC(安全キャビネット)により研究者を守ります

2次封じ込め

実験室により周辺環境を守ります
建物の室レイアウトおよび空調設備や排水・排気処理設備により構築します。

  • 前室の設置
  • インタロック機構の扉
  • 外部から実験室内への気流制御
  • 実験室からの排気はHEPAフィルター処理
  • 実験室内にオートクレーブ

BSL(バイオセーフティレベル)

病原体等のリスク群 BSL(バイオセーフティレベル) 実験室の使用目的 実験室の安全機器
1 BSL-1 基本実験室、教育、研究 特になし
2 BSL-2 基本実験室、一般診断検査、研究 病原体の取り扱いは安全キャビネットで行う
3 BSL-3 封じ込め実験室、特殊診断検査、研究 病原体の取り扱いの全操作を安全キャビネットまたは一次封じ込め装置を用いて行う
4 BSL-4 高度特殊診断検査 陽圧スーツと安全キャビネットに加え両面オートクレーブ、給排気はフィルターろ過

海外の実績・実例

フィリピン 国立熱帯医学研究所(モンテルパ市)

2014年に西アフリカで流行したエボラ出血熱は日本でも感染の疑いが発見され検査体制が強化されています。フィリピンは1000 万人に及ぶ海外在住労働者がおり労働者には看護士も多くエボラ出血熱の流行に対しては、日本以上に検査体制強化が求められていました。
その対策の一つとして、当社のコンテナラボが採用されました。

  • 「2014年度フィリピン共和国向けの日本先進的製品とそのシステム(医療機器および構成装置パッケージ)の紹介のための日本のノンプロジェクト供与助成」において、JICS(日本国際協力システム)から受注し、2018年6月にフィリピン国立熱帯医学研究所(モンテルパ市)に納入しました。
  • 40ftコンテナを横に2台、更に上下2段に連結し、下段の実験室面積を大きく確保しました。
    上段コンテナに空調設備、下部架台部に給水・排水処理設備をユニット化し、各ユニットは分割運搬可能な連結式としました。
    各ユニットは日本国内で製作し、現地で再組立てしました。
  • 実験室ユニットは、前室3室、実験室1室、後室4室(シャワー室を含む)で構成しています。
  • 実験室にクラスⅢおよびクラスⅡタイプA2の安全キャビネット各1台、両面式オートクレーブ1台、パスボックス2台、ダンクタンク1台を装備しています。
  • 衛生設備には薬品による排水処理設備を装備しています。

ザンビア ザンビア大学附属教育病院結核ラボ(ルサカ市)

世界的に新興・再興感染症が大きな問題となっており、ザンビア国を含むアフリカ諸国もこの問題に直面しています。ザンビアではHIV感染者の増加に伴い結核が再流行する一方、治療困難な多剤耐性結核の蔓延も危惧されています。更に結核は人獣共通感染症であり、家畜と人の間の感染も報告されています。結核の蔓延を防止するため、日本政府の支援のもと、北海道大学とザンビア保健省ならびにザンビア大学が共同で研究を進めています。結核の研究にはP3レベルの封じ込め機能を持つ実験室が必要とされ、その調達業務を当社は2011年12月に受託し、2012年7月末日に完了しました。

  • JICA(国際協力機構)-JST(科学技術振興機構)のSATREPS「結核とトリパノソーマ症の診断方法と治療薬開発」プロジェクトにおいて、北海道大学から受注し、2012年7月にザンビア大学附属教育病院(ルサカ市)に納入しました。
  • 40ftのコンテナラボを2基設置し、実験室の必要スペースを確保するとともに、設備故障時のバックアップにも対応します。
    2基の実験室は各々前室2室、実験室1室で構成しています。
  • コンテナ内部には実験室ユニットのみを配置し、空調・換気機器等はコンテナ外面に設置しました。
  • 日本からの輸出には輸送や輸出貿易管理令の手続きに多大な時間が必要となります。またBSL施設は定期的なメンテナンスも必要です。
    これらを解消する為、南アフリカの業者に製作を依頼し、メンテナンス業務も南アフリカの業者により行われています。

ベトナム 国立衛生疫学研究所(ハノイ市)

ベトナムは2003年終わりから2005年にかけてH5N1型鳥インフルエンザウイルスの感染数・死亡数が世界で最も多く、さらなる感染拡大が懸念されていました。世界保健機関(WHO)の規定によれば高危険度病原体はBSL-3実験室(高度安全性実験室)で行うこととなっていますが、同国にはBSL-3実験室は存在していませんでした。
1988年に株式会社青木建設(現、青木あすなろ建設株式会社)が製作(弊社は空調衛生設備を実装)し、国立感染症研究所に納入後18年使用されたBSL-3実験室を日本国内で改修後ベトナムに移設しました。

  • JICA(国際協力機構)の「国立衛生疫学研究所能力強化計画」プロジェクトにおいて、青木あすなろ建設株式会社から輸出前の日本国内での空調設備改修工事を受注しました。
    青木あすなろ建設株式会社が2006年11月にベトナムへ移設した際には当社も技術支援を行っています。
  • 20ftコンテナ2台を上下に連結し、下段を実験室、上段を空調機械室で使用しています。
    日本国内で製作し、現地で連結しました。実験室ユニットは、前室1室、実験室1室で構成しています。
  • 2013年3月にJICAのプロジェクトにより公益財団法人パスツール研究所(ホーチミン市)に再移設されました、当社はJICAの専門家派遣業務を受託し、現地業者に移設時の技術指導を行っています。